今年もこの切なく悲しい話をご紹介する季節がやってきました。
(ご存知の方はすみません)
1997年9月、ある男がパース国際空港に降り立った。
彼の目的は、ただひとつ。
オーストラリア第2の珊瑚礁、
(ご存知の方はすみません)
1997年9月、ある男がパース国際空港に降り立った。
彼の目的は、ただひとつ。
オーストラリア第2の珊瑚礁、
ニンガルーリーフで世界最大のサメであるジンベイザメに会うこと。
ワーキングホリデービザを使い、空路を使い(当たり前)
はるばるやってきた目的が、「サメか?」と笑う人もいるかも知れないが、
ワーキングホリデービザを使い、空路を使い(当たり前)
はるばるやってきた目的が、「サメか?」と笑う人もいるかも知れないが、
(笑ってやってください)
彼は、熟考に熟考を重ねて、その当時まだ日本では知る人が少ないパースへ、
ジンベイザメとダイビングするためにやって来たのである。
(注:ジンベイザメと泳げるのはパースではなくエクスマウスです。)
もちろんジンベイザメは見たことがある。
大阪の海遊館で、海ちゃん、遊ちゃんを見に行った。しかし、一緒にダイビングしたことがない。
だからこそ、彼は30歳を前にして、旅を決意したのだ。
男として、是非ともジンベイと一緒に泳いでみたいという気持ちを誰が笑うことができようか?
(どうぞ、笑ってやってください)
彼はノースブリッジにあるバックパッカーに宿をとり、
彼は、熟考に熟考を重ねて、その当時まだ日本では知る人が少ないパースへ、
ジンベイザメとダイビングするためにやって来たのである。
(注:ジンベイザメと泳げるのはパースではなくエクスマウスです。)
もちろんジンベイザメは見たことがある。
大阪の海遊館で、海ちゃん、遊ちゃんを見に行った。しかし、一緒にダイビングしたことがない。
だからこそ、彼は30歳を前にして、旅を決意したのだ。
男として、是非ともジンベイと一緒に泳いでみたいという気持ちを誰が笑うことができようか?
(どうぞ、笑ってやってください)
彼はノースブリッジにあるバックパッカーに宿をとり、
シンプソン(アメリカ人やオーストラリア人が大好きなテレビアニメ)
を見ながら大笑いしている異国の民を尻目に、
サメの図鑑を眺めながら、VB(オーストラリアを代表するビール)を4本ほど空けたのだった。
次の日に早速パースのダイビングショップにジンベイザメツアーの予約をするために向かった。
場所をしっかり地図で確認したにも関わらず、なぜか元のバックパッカーに戻ってしまい、
近くにいた異国のおばさんに道を尋ねようと思ったが、英語が全く出てこなく
を見ながら大笑いしている異国の民を尻目に、
サメの図鑑を眺めながら、VB(オーストラリアを代表するビール)を4本ほど空けたのだった。
次の日に早速パースのダイビングショップにジンベイザメツアーの予約をするために向かった。
場所をしっかり地図で確認したにも関わらず、なぜか元のバックパッカーに戻ってしまい、
近くにいた異国のおばさんに道を尋ねようと思ったが、英語が全く出てこなく
(英語がしゃべれないのです泣)
ひたすら地図上の一点を指差すだけで、何もできない30歳まえの男であった。
親切なおばさんは、男とのコミュニケーションをあきらめ腕を引いて、
目的のダイビングショップまで連れて行ってくれたのだった。
そして、男は最後に一言だけ「サンキュウ・ベリ・マッチ」と英語を使い、日本人の尊厳を守ったのだった。
以下、ダイブショップの店員との一問一答
男「すみません、ちょっと聞きたいことがあるのですが?」
スタッフ「はい、どうぞ」
男「実はジンベイザメがニンガルーリーフで見れると聞いたのですが?」
スタッフ「はい、そうですよ」
男「良かった、そのために日本からわざわざ来たんですよ。」
スタッフ「そうなんですか」
男「じゃ、予約御願いします。」
スタッフ「えっ、ジンベイは、3月から7月ですよ。今は見ることができないです。」
スタッフ「あなた、日本からわざわざそのために来たのに、調べてこなかったのですか?」
男「・・・・・・・・・」
スタッフ「申し訳ございませんが、来年の3月以降にいらしてください」
男「・・・・・・・・・」
熟考に熟考を重ねて、パースに来たんじゃなかったのか?
親切に、ここまで連れてきてくれたおばさんは、なんなのか?
バックパッカーへの帰り道、自問自答を繰り返す男であった。
しかし、半年後、彼は復活した。
悔しさを胸に、ジンベイとダイビングすることを目標に、
ひたすらパースでダイビングのスキルアップに努めたのであった。
経験本数も100ダイブを超え、海の男にふさわしい逞しい肉体を作り上げた。
男「今度こそ、ジンベイツアー、行けますよね。」
スタッフ「お久しぶりです。もちろんです。予約されますか?」
男「もちろんです。聞いてください。ジンベイとダイビングするために、ダイブマスターをとりました。ジンベイに笑われたくないですからねー。」
スタッフ「お客さん、ジンベイとは、スノーケルで一緒に泳ぐんですよ。ダイビング器材は使いません」
男「オーマイゴット」
さあ、皆さんも、この男性がひたすら追い求めた世界最大の魚、ジンベイザメに会いに行きませんか?
スノーケルでジンベイザメの近くを泳いでみませんか?
きっと、海や魚のことが大好きになると思います。
ひたすら地図上の一点を指差すだけで、何もできない30歳まえの男であった。
親切なおばさんは、男とのコミュニケーションをあきらめ腕を引いて、
目的のダイビングショップまで連れて行ってくれたのだった。
そして、男は最後に一言だけ「サンキュウ・ベリ・マッチ」と英語を使い、日本人の尊厳を守ったのだった。
以下、ダイブショップの店員との一問一答
男「すみません、ちょっと聞きたいことがあるのですが?」
スタッフ「はい、どうぞ」
男「実はジンベイザメがニンガルーリーフで見れると聞いたのですが?」
スタッフ「はい、そうですよ」
男「良かった、そのために日本からわざわざ来たんですよ。」
スタッフ「そうなんですか」
男「じゃ、予約御願いします。」
スタッフ「えっ、ジンベイは、3月から7月ですよ。今は見ることができないです。」
スタッフ「あなた、日本からわざわざそのために来たのに、調べてこなかったのですか?」
男「・・・・・・・・・」
スタッフ「申し訳ございませんが、来年の3月以降にいらしてください」
男「・・・・・・・・・」
熟考に熟考を重ねて、パースに来たんじゃなかったのか?
親切に、ここまで連れてきてくれたおばさんは、なんなのか?
バックパッカーへの帰り道、自問自答を繰り返す男であった。
しかし、半年後、彼は復活した。
悔しさを胸に、ジンベイとダイビングすることを目標に、
ひたすらパースでダイビングのスキルアップに努めたのであった。
経験本数も100ダイブを超え、海の男にふさわしい逞しい肉体を作り上げた。
男「今度こそ、ジンベイツアー、行けますよね。」
スタッフ「お久しぶりです。もちろんです。予約されますか?」
男「もちろんです。聞いてください。ジンベイとダイビングするために、ダイブマスターをとりました。ジンベイに笑われたくないですからねー。」
スタッフ「お客さん、ジンベイとは、スノーケルで一緒に泳ぐんですよ。ダイビング器材は使いません」
男「オーマイゴット」
さあ、皆さんも、この男性がひたすら追い求めた世界最大の魚、ジンベイザメに会いに行きませんか?
スノーケルでジンベイザメの近くを泳いでみませんか?
きっと、海や魚のことが大好きになると思います。